2009年1月8日木曜日

司法修習生にノウハウ伝授

どこの世界でも経験によって成長していきますが、まだ経験が浅くて・・・
なんて言い訳を弁護士
はできませんよね。そんな人に弁護されたんじゃ依頼人が可哀そう。
いかに現場に出る前に実戦的なことを積めるかってすごく重要だと思う。
ところで、裁判員に選ばれた人はこういうことを勉強するのかな?

◆司法修習生対象に“私塾” 大阪の公設事務所がノウハウ伝授
(2009年1月6日 MSN産経ニュース)

 5月の裁判員制度の導入を前に、大阪弁護士会の都市型公設事務所「大阪パブリック
法律事務所」が、司法修習生を対象にした“私塾”で刑事弁護士の人材育成を本格化させ
ている。平成16年に開設し、卒塾生は100人を超えた。今では塾出身の若手弁護士も
講師に加わり、実演を交えて尋問技術など裁判員裁判に即応できる実務のノウハウを伝授
している。
 「この塾は実践的にやるのが特徴なので、失敗して当たり前。恥をかくことを恐れずに」
。昨年12月3日夜、大阪市北区の大阪弁護士会館で開かれた「刑事こうせつ塾」。同事
務所長の下村忠利弁護士が約20人の司法修習生に語りかけた。
 この日のテーマは、痴漢事件の被害者に対する反対尋問。まず講師役の弁護士たちが、
電車の中で被告の男に痴漢に遭ったと訴える被害者と検察官にそれぞれ扮(ふん)し、主
尋問を実演。その後、弁護人の反対尋問への参加者を募ると、修習生から次々と手が挙が
った。
 修習生はいずれも被害者の証言を崩そうと試みるが、やはり不慣れでたどたどしい質問
が多い。講師役の弁護士から「被害者が被告を痴漢と勘違いしたとして争うとしても、事
件性か犯人性のどちらで攻めるのか、狙いをはっきりさせて」「意味のない質問はせず、
被害者と議論しない。言わせたいことを言わせ、インパクトある形で裁判員に分からせる
こと」などと具体的な指示が飛んだ。
 「裁判員制度が始まる変革期に法曹界に入るのはチャンス。修習中に実戦できる機会は
他にないので勉強になります」
 終了後、富山市出身の女性修習生(31)は充実した表情でこう話した。
 こうせつ塾は16年9月に開設。2カ月に1度、5~6回ほどの実践的講義を通じて、
容疑者との接見や被告・被害者らの尋問などの技術を伝授している。口コミで評判が伝わ
り、今では大阪以外の修習生も参加しているという。
 塾出身者は、次世代の刑事弁護を担う存在に成長している。講師を務めた寺田有美子弁
護士は第1期卒塾生。同事務所で4年の経験を積み、100件以上の刑事弁護を担当した。
「後輩には不当に処罰させないという刑事弁護の原点を伝えたい」という。
 裁判員裁判では、被告の無罪や情状を裁判員に直接訴える弁護士の役割はさらに重要に
なり、弁護士数の確保と質の向上が急務だ。下村弁護士は「しっかりと技術を伝え、刑事
弁護に熱意をもった人材の育成を急ぎたい」と話している。