2009年4月28日火曜日

試験合格だけを目的にしてはダメ!

法科大学院の適合調査の結果、4割の37校が不適合と。
司法試験の合格率は下がり、不適合の割合は上がり・・・
理屈としては通ってるねぇ。
嬉しくないけど。
試験合格だけを目的としたカリキュラムを組みたいのは分かるけど、それじゃあ法科大学院の意味ないですからね。しっかりと!

◆法科大学院37校、4割が「不適合」…前年度比で大幅増(2009年4月1日 読売新聞)

 法科大学院の評価機関「日弁連法務研究財団」は31日、評価を行った大学院7校のうち、鹿児島大など3校の教育内容などに問題があるとして「不適合」としたと発表した。
 今回を含め、2008年度末に三つの評価機関が評価結果を発表した計37校では、約4割にあたる14校が不適合だったことになり、約2割が不適合だった07年度に比べて大幅に増えた。これで法科大学院74校中68校の評価が終了し、不適合は22校に上っている。
 今回不適合とされたのは、鹿児島のほか、姫路独協、成蹊の各大学院。鹿児島は、専任教員1人の教育歴や研究業績が、法科大学院で教えるには不十分と判断された。姫路独協は、定員40人に対し08年度の受験者が18人にとどまるなど、定員割れが続く状況に改善の見通しが立っていないとされた。成蹊は、カリキュラムに司法試験で出題される法律基本科目が多く、バランスを欠くと見なされた。
 不適合の指摘を受けた大学院については、文部科学省が法令違反の有無などを調査したうえで改善を指導するが、大学院の運営そのものに影響はない。

2009年4月25日土曜日

法科大学院をう回

法科大学院が出来たので、法科大学院からしか司法試験を受けられないのかと思ったら、そうでもないんですね。
今は、新司法試験と旧司法試験が並行して行われていますが、旧司法試験はもうすぐなくなるはずでしたよね。
そして、今後は予備試験とやらを実施して、法科大学院修了者以外に受験資格を与えるそうです。
仕組みが複雑になってしまい、大きな混乱を与えなければいいのですが・・・。

◆法科大学院う回・予備試験実施案、短答・論文・口述の3段階
(2009年4月24日 読売新聞)

 法科大学院を修了していない人に司法試験の受験資格を与えるために2011年度から導入される「予備試験」の実施方針案が23日、明らかになった。
 旧司法試験と同様に、短答式、論文式、口述の3段階で構成され、5~10月に実施する。

 ◆予備試験合格の1年後に本試験◆
 本試験となる新司法試験は毎年5月に行われるため、予備試験の合格者は法曹資格を得るまでに1年以上が必要となる見通しだ。
 法務省の司法試験委員会は方針案を基に細部を詰め、夏までに正式決定する。
 予備試験の方針案によると、短答式は5月中旬までに実施し、6月までに合格発表。旧試験の3科目に行政法、商法、民事訴訟法、刑事訴訟法、一般教養科目の5科目を加えた8科目。
 論文式は7月までに2日間実施し、10月までに発表。旧試験の6科目に行政法、一般教養科目、法律実務基礎科目の3科目を加えた9科目。口述は10月までに実施し、11月までに発表する。試験期間は1日もしくは2日間とすることで調整している。
 予備試験は経済的理由で法科大学院に通えない人や、働きながら法曹の道を目指す人に受験機会を確保するために導入される。
 ただ、予備試験を経た合格者が増えると法科大学院に通わない学生が増え、司法制度改革の根幹が崩れる恐れがある。昨年度の司法試験合格者は新試験2065人に対し、旧試験144人で、こうした比率も参考に、司法試験委員会は司法試験合格者に占める予備試験経由の合格者枠について慎重に検討する。

2009年4月23日木曜日

東大と京大が削減

新司法試験の合格率低迷に伴い、東大と京大が法科大学院の定員削減を発表しました。
天下の東大・京大でも先生の一定した質の確保に苦労する状況となれば、その他の大学は相当無理をしているということでしょう。
この法科大学院は、司法試験に合格するための場所ではなく、より本格的に法曹について学ぶことができるという場所だからこそ質には拘るべきです!

◆法科大学院:東大と京大、来年度から定員削減へ 他校にも拡大か
(2009年4月18日 毎日新聞)

 東京大は17日、法科大学院の定員を10年度から2割削減することを明らかにした。
法科大学院74校中最多だった300人の定員を240人とする。京都大も10年度の定
員を200人から160人に減らすことが分かった。他校にも同様の動きが広がるとみら
れる。
 司法制度改革の流れで誕生した法科大学院は、入試倍率の低下が続き、全体的な規模縮
小の必要性が指摘されていた。東京大の浜田純一学長は同日の記者会見で「法曹は我々の
生活、権利、自由とかかわっておりクオリティーはしっかり保ちたい。法学部でも授業を
持っている先生は相当疲弊している。このままでは教育の質を保てない」と説明した。
 一方、中央教育審議会の法科大学院特別委員会は17日、大学院の質向上のための最終
報告をまとめた。各法科大学院に来年度からの入学定員削減を求め、特に▽競争倍率(受
験者数を合格者数で割った値)が2倍を下回る▽司法試験の合格率が相当に低い状況が継
続的に見られる--などの大学院に早急な見直しを要求する。

特定調停の手続きって成立しない場合があるそうで・・。せっかくやってもダメだったらてショック(>Д<)
詳しいことはこのサイトで⇒

2009年4月9日木曜日

安易な増員は危険・・

試験に合格すれば与えられるもの・・・それが資格や免許なんですが、どの職業でも試験では図りきれない力というのが必要になってきますよね。
教員の指導力とか、医師の手術技術とか。
弁護士だってそういった力が多く必要になってくるからこそ法科大学院で試験的でない実践的な力を付けなくてはいけないのに、それが行われていないなんて。。。
早期改善が必要ですね。

◆法科大学院/所期の目的達成へ努力を(2009年4月9日 世界日報)

 財団法人大学基準協会は、二○○八年度に評価対象となった法科大学院十四校のうち九校について、教育内容などで基準を満たさないため「不適合」だと公表した。最近の別の機関による評価を含めると、これで問題ありとされた法科大学院は計十九校となった。

偏向したカリキュラム
 今回、「不適合」とされたのは、東北学院、白鴎、日本、神奈川、関東学院、名城、大阪学院、甲南、関西の各大学。司法試験の受験対策に集中しない教育内容が求められているのに、試験対策に偏ったカリキュラムが取られていた。また学生の成績が厳格に評価されていなかったり、専任教員が不足しているところもあった。
 政府は、一○年までに司法試験合格者を年間三千人に増やす目標を立てているが、安易な増員は禁物だ。まず法科大学院の質を高める取り組みをしなければいけない。そのためには、統合再編も視野に入れるべきだ。
 また今回、同協会は、一昨年に発覚した植村栄治・元慶応大法科大学院教授による試験問題漏洩疑惑をめぐって、再発防止策が十分に履行されていないと判断し、慶大に来年度以降も引き続き状況報告を行うよう求めた。新司法試験の出題担当の考査委員だった同教授が試験対策の勉強会を開き、実際の出題と重なる論点を説明していた問題で、同大は釈明を行い再発防止策の履行を約束していただけに、残念である。
 法科大学院の新設は、弁護士を増やし国民に身近な司法を実施することだけが目的ではない。二〇〇〇年に始まった司法改革では、国際的な弁護士の育成の必要性が論議され、わが国には複雑な経済事犯などに対応できる優秀な弁護士が少なく、その養成が焦眉の急だという意見で一致した。にもかかわらず、慶大のような有名大学で司法試験対策の小手先の勉強会を良しとするようなことが発覚すると、司法改革の形骸化が進んでいるのではと懸念せざるを得ない。実態を精査する必要がある。
 もう一つの眼目は、法曹界に多様な人材を送り込むためのロースクールの役割だった。今日、知的財産権、医療過誤、建築瑕疵紛争、労働関係など、専門的知見を要する事件、訴訟は枚挙にいとまがない。これらに対処するには、社会人や他学部出身者の入学を促し、カリキュラムも多彩な実務内容を取り入れることが要請されていた。
 しかし、各地の法科大学院でそれに該当する入学者の数は減少しており、政府が社会人を三割にするという目標実現は難しい状況だ。技術系出身者が法曹資格を取得することを容易にするカリキュラムを取り入れるなどの工夫が必要だろう。

法曹人としての倫理を
 一方、法曹人口の増加に伴い、法曹人としてのあるべき姿を明確にし、それを目的とした教育を強化すべきである。特に弁護士はこれまでその数を抑えられ、大きな特権が与えられ活動してきた。だが、今日、弁護士業務のビジネス化が顕著になってきているだけに、法曹人としての倫理を体現する必要がある。法科大学院は、そのための教育機関でもあるはずだ。